愛用品紹介 ノースフェイス エクスペディショングリッドフリース
自分が登山で愛用している薄手フリース、ノースフェイスのエクスペディショングリッドフリースを紹介します。
エクスペディショングリッドフリースについて

フューチャーフリースというノースフェイス独自素材を使用しており、適度な保温性と通気性、さらにストレッチ性や摩耗強度まで備えた高機能薄手フリースです。
現時点では
- クルー
- ジップアップ(プルオーバー)
- フーディ(プルオーバーフーディ)
- フルジップフーディ
の4種類があり、写真はブラックカラーのジップアップです。
ユニセックスモデルでサイズはWS~WL(女性用)、S~XXLの展開で、カラー展開も比較的多いです。
シルエットはピチピチになるほどではありませんが、比較的タイト目な作りです。
全モデルに胸ポケットが付いており、ハンドポケットはありません。また、プルオーバーフーディのみフードがバラクラバタイプになっています。


ロゴについては、ブランドロゴが左胸と右肩後ろに1つずつ、サミットロゴが左腕に1つと、サミットシリーズ定番の配置。
袖は長めでサムホール付き、後ろ丈は長めで屈んだ際も腰をカバーしてくれます。
フューチャーフリースについては、公式サイトにある「8本の突起を持つリサイクル中空繊維を…云々」の記載を見る限り、どう考えても帝人のオクタの糸を使っています。
ノースフェイス公式のコラムにはもっと踏み込んだ詳細が書いていますが、生地裏側の半裁加工、表面に薄っすら浮き出るダイヤ模様などから、やはりどう考えても帝人のオクタサーモフライを使っており、それを表地に貼り付けていると思われます。

表地によりストレッチ性、摩耗強度を向上させています。

裏地のオクタサーモフライは起毛加工では無く、ダブルラッセル編みを半裁しており、かさ高が均一になっているのが最大の特徴。
起毛と比べて繊維の抜け落ちが少なく、内側に接する面積が大きいことで吸水性も高いです。
気に入っている点
保温性、通気性がちょうど良い
前提として、自分は登山中の行動量が多い方で、長時間の休憩をすることは少ないです。
フリースはノースフェイスのドライドットの上に着ることが多く、その際オクタCPCPなどのむき出し系軽量フリースだと通気性が良過ぎて、多少風が吹いただけでウインドブレーカーが必要になることも多いです。
かといって、パタゴニアのR1のような重量300gオーバーのフリースは真冬以外は暑すぎます。
これまで多くのフリースを試してきましたが、重量200g程度でそれなりに保温性、通気性があるエクスペディショングリッドフリースが一番快適で、脱ぎ着の回数も少なかったです。
特にジップアップタイプはフロントジッパーが長めで換気しやすく、閉めれば首元も保温でき、幅広い温度域で着続けたまま行動できます。
性能的に近いのはパタゴニアのキャプリーンサーマルウェイトあたりで、あちらも良い製品ではありますが、ミドルレイヤーでも使用するなら性能、サイズ感的にエクスペディショングリッドフリースの方が良いです。
それなりに耐久性がある
表地の無いむき出し系軽量フリースに比べると、引っ掛け、摩耗などに強く、毛抜けも少ないことからラフに扱えます。

例として、写真のような草木多めの道を進む場合、むき出し系は引っ掛かりに気を使いますが、エクスペディショングリッドフリースなら気にせず突っ込むことができます。
実際はむき出し系で突っ込んだところですぐに穴が空くことは無いと思いますが、登山ではなるべく頭をクリアにしたく、気を使ってしまう時点で個人的にはアウトです。
さすがに藪漕ぎとなれば話は別ですが…。
冬のベースレイヤーとしても使える
一般的に起毛したフリース面は肌に接する部分が少なく、吸水性に劣ることからベースレイヤーでの使用には適していません。
しかしながら、ダブルラッセル編みを半裁しているオクタサーモフライはかさ高が均一で、肌に接する部分も多く、自分は実際に試した上で冬のベースレイヤーとしては十分な吸水速乾性を備えていると感じました。
ベースレイヤー、ミドルレイヤーの両方で使える汎用性の高さも魅力の一つです。
コスパが良い
定価は2万円近くしますが、Amazonなどでは安く購入できることが多く、性能や耐久性も考慮すると、アウトドアメーカーのフリースの中では相対的にコスパは良いと思います。
気になる点
摩耗強度があるといってもフリースはフリース
表地はあくまで薄いフリース生地であり、パタゴニアのR1テックフェイスのような堅牢性はありません。


自分が頻繁に使用していたものは、ザックのショルダーベルトと干渉する肩、1ℓのボトルを入れたサイドポケットと干渉する腰部分に毛羽立ちが見られます。
ですが、穴が空くことは無く、性能的にも問題無く使えていることから、過度な期待は禁物とはいえ耐久性は高いと言えます。
ジップアップタイプは着丈が長い
現行の4モデルのうち、ジップアップタイプのみ着丈が1サイズ分ぐらい長めに作られています。
石井スポーツなど取り扱い店舗の在庫はフーディが中心で、ジップアップは在庫が無いことも多く、試着せずに買う場合はやや注意です。
パンツにインするベースとしての着用を想定しているのですかね。
抗菌防臭機能は無い
ミドルレイヤーで使う際はそこまで気になりませんが、ベースレイヤーで使って汗をびっしょりかいた場合、抗菌防臭機能が無いのでそれなりに臭います笑。
元々化繊の抗菌防臭機能には懐疑的でしたが、実際に比べてみることで、ポリジン加工、ハイキュミント加工などには一定の効果があるのだと体感しました。
まあ日帰り登山程度なら気にする必要の無いレベルです。
ドライドットはアップデートでポリジン加工が追加されましたし、こちらもいずれは追加されるかもしれません。
具体的な着用場面
169cm/54kgでMサイズを着用。

登山ではフード無しで体温調整もしやすいジップアップが使いやすく、ベースレイヤーとして使うことも考慮して現在は2着持っています。
さらに、街着としてこの薄さのフリースはどうなのかという実験的試みで、フルジップフーディも1着買いました。
今のところ行動量の少ない街着用途ではパタゴニアのR1の方が快適ですが、暖かい時期になるまで試してみます。
登山においては気温が5~15℃程度の際は、ミレーのアミアミとドライドットジップハイを着て行動することが多く、寒さを感じた際に上から着れるよう持ち歩いています。
このぐらいの気温では、ウインドブレーカーよりこちらを着る方が快適に感じますし、途中で着た後は下山まで着たままになることが多いです。

気温が5~-5℃程度の際は、ミレーのアミアミとドライドットジップハイの上から着て行動することが多く、寒さを感じた際はさらに薄手の中綿ジャケットを上から着ます。
-5℃以下の際はベースレイヤーとしてミレーのアミアミの上に直接着ることもあります。
また、テント泊の際は就寝着兼保温着としてスタティックのアドリフトP/Oフーディに着替えますが、持ってきた保温着で足りない場合はブーストとしても使います。
まとめ
汎用性の高い高機能薄手フリースで、特に暑がりの人、行動量の多い人にはおすすめです。
シルエット、デザイン的に街着としても着やすいと思いますし、サイズ、カラー展開の多さからノースフェイスのサミットシリーズの中での人気が伺えます。
とりあえず1着持っていると色々使えて便利です!