資格試験 宅地建物取引士の試験考察
宅建士試験の勉強方法の記事作成の前に、前提条件を擦り合わせる意味も兼ね、先に試験自体についての考察を書いていきます。
過去の記事で書いている内容も含まれるかもしれませんが、宅建士試験について体系立ててということで。
また、自分の主観に基づいた想像、人によっては不快に感じる表現を含みますのでご注意ください。
宅建士試験が人気の理由
令和7年度宅建士試験の受験者数は245,462人と、日本の国家資格の中でもトップレベルに受験者数の多い人気資格で、それ故優良な教材が多く、スクールなどもたくさん存在します。
解答速報も各社が競い合い、試験終了から数時間後には出回り始め、翌日には不合格見込者へ来年度試験の教材の宣伝、合格見込者へ登録実務講習、不動産業界の転職サイトの宣伝が始まるなど、試験自体が一大ビジネスになっています。
これまで建設系の資格を取ってきた自分からすると本当に驚きで、感動すら覚えました笑。
人気の理由を改めて整理してみると、
- 受験資格に年齢、学歴、実務経験などの制限が無い
- 宅建業法上、事務所に有資格者の設置義務がある
- 宅建業法上、有資格者にしかできない独占業務がある
- 試験内容に民法が含まれており、より難関な士業資格全般の基礎になる
- 絶妙な難易度、合格者数設定
といったところでしょうか。
❺は自分の主観によるところですが、宅建士試験は記述の無いマークシート試験の中では最上位の難易度だと思っています。
これ以上の難易度の資格になると試験内容に記述が入ってしまい、そうなると受験のハードルが一気に上がります。
主催者側も色々工夫はしているとは言え、やはりマークシートのみだとワンチャンありそう感もでますしね。
個人的には、資格試験未経験で平均的な知能を持った、フルタイム労働、家庭持ちの社会人が、片手間の勉強で合格できる限界点かなと思っています。
この❶~❺が絶妙なバランスで重なっていることが、人気に繋がっているのだと思います。
相対評価試験は他受験者との比較
年度によって誤差はありますが、宅建士試験は大よそ上位15~18%を合格とする相対評価の試験です。
受験者全体の点数によって合格点も変わり、試験問題の難度と合格難度は直接的には結びつかず、施工管理技士試験のように6割取れればみんな仲良く手を繋いで合格…という訳にもいきません。
他人と比較せず、自分自身と戦うべき…なんて言葉もありますが、宅建士試験が相対評価の試験である以上、他受験者と比較する視点は大切で、むしろ合格するための戦略においては、それが全てと言っても過言ではありません。
当然、最終的な勉強という行為そのものは自分自身との戦いであり、あくまで戦略の話です。
仮に受験者の20%が東大、京大の卒業生となった場合、合格するための戦略は大きく変わってしまいますからね。
他受験者との比較については、SNSなどで見かける一部の上位層、怪物達とだけ比べることに意味はなく、受験者全体と比較することに意味があります。
そもそも、SNSで日々の勉強の発信をする人、試験後に自己採点結果を発信する人は、仮に不合格になったとしても、受験者全体から見るとそれなりに上位の部類に入ります。
その下には、試験範囲全てに目を通さずワンチャンに賭ける人、合格の見込みは無くても会社の方針で仕方なく受験する人、受験という行為だけで満足してしまう人、資格試験の空気感を味わいたいだけの人など…表に出ないだけでたくさんいます。
受験ハードルの低い宅建士試験ならなおさらです。
さらに、そのような状態のまま改善をせず、5回、10回と同じ試験を受け続けるのがいわゆる資格ゾンビ(自分が勝手に名付けています笑)で、自分の周りにもたくさんいました。
宅建士試験では、資格ゾンビが5人程度集まれば合格者が1人生まれること、試験運営の資金回収を考えると、運営側にとっては遊び半分で受験した1発合格者より、よっぽど価値のある存在とも言えますが…。
結局何を言いたいかと言うと、顔の見えない他受験者達と比較することは大切ですが、過度に怖がる必要は無いということです。
その上で、いかに他受験者を出し抜けるかがカギになります。
宅建士試験の戦略
過去の記事でも書いていますが、資格試験の勉強については知能×効率×時間の掛け算だというのが自論で、それは宅建士試験においても同様です。

知能については、今更どうこうすることは難しく、他受験者と張り合うだけ時間の無駄です。
効率については、建設資格の記事で自分が何度も提唱している並列の勉強法が有効ではありますが、宅建士試験の場合、人気資格と言うことで世の中に優良な教材が多数存在し、意識せずとも並列の勉強法ができてしまっている他受験者も多いのが建設系資格との大きな違いです。
個人的には本当に驚いた部分で、このノウハウを建設系資格に持ち込めば余裕で天下を取れる、というレベルの教材がゴロゴロ転がっています笑。
そのため、他受験者と効率で大きく差を付けるにはさらに踏み込んだ思考、捉え方が必要で、それについては今後のブログ記事で書く予定です。
最後に時間についてですが、宅建士試験においてもここが最も重要であり、御幣を恐れずに言えば、ある程度の知能、効率の差は勉強時間でカバーできてしまう程度の試験です。
自分の感覚としては、最低限の知識、効率さえあれば、
- 試験半年前からコツコツ勉強を継続する
- 大型連休、3連休のある程度を勉強に充てる
- ヤマを張らずに試験範囲全ての分野をしっかり勉強する
上記3つを実行するだけで、大抵の受験者は合格圏内に入れるのではないかと思っています。
言い換えれば、8割以上の受験者はこれができません。
何故なら受験者の多くは社会人で、資格試験に限らず、社会に出てから業務以外の学びに時間を使える人は、皆さんが思っている以上に少ないからです。
そして、歳を重ねれば重ねるほど、人は簡単には変われません。
ちなみに、このような無名個人ブログの資格試験記事のリンクをクリックし、ここまで読み進めている時点で学びの意識が高いと言えますし(有用かどうかはさておき)、受験者の方なら自信を持って良いところです笑。
実際、不合格者達の多くはこのような記事を読むより、SNS、LINEチェック、ショート動画視聴などの方が優先順位が高いはずです。
受験勉強から解放され、小金を得て欲望を満たせるようになった社会人が学びの優先順位を再び上げるには、欲望のコントロールが必要であり、それについては過去の記事で深堀りしています。

極論、合格するまで勉強を続けられれば100%合格しますからね笑。
目指すべき試験点数
宅建士試験の結果は合格、不合格のみで、高得点を取っても講習が免除になるなどの特典はありません。
その観点だけで見れば、合格点以上の点数の積み上げに意味は無く、余分な労力とも言えます。
過去問、テキストに無いような難問もいくつか出題され、満点を目指すのは非常に難易度が高いことからも、確実に合格しつつ余分に勉強をしすぎない程度の点数を目指すのが最も効率が良いです。
この部分については、過去の記事で深堀りしています。

では次に、宅建士試験ではその点数がどのぐらいになるのかを考察していきます。
まず、宅建士試験の解答は4択マークシートのみという特性上、正解を絞り切れない難問は最終的に運が絡むことが多いです。
また、毎年1問だけ出題される分野、数年に1回出題される分野の問題も多く、全ての範囲を網羅しているつもりでも、ちょっとした知識の偏りで得意、不得意な問題が生まれてしまうこともあります。
自分の感覚としては、
- 運 ±3点
- 知識の偏り ±2点
少なくとも±5点程度の変数は見込んでおくべきだと思います。
そのため、合格点が33点の令和7年度試験を基準にすると、同じ難易度の問題を繰り返し解き、平均で38点取れる程度の実力を身に付けることができれば、確実な合格に限りなく近づくはずです。
ただし、全く同じ難易度の問題というのは存在せず、事前に合格点が分かるわけでもありません。
また、実際の過去問は慣れで解けてしまう部分もあり、過去問を通しで解いて合格点+5点取れるようになったから確実に合格、という訳でもありません。
表現が難しいですが、あくまでイメージの話です。
当然、合格点以下の実力ながら、上振れで合格してしまった人もいるはずですが、それも含めての資格試験であり、目指す点数に差異はあれど、多くの合格者は合格点以上を取れるように努力したはずです。
ちなみに自分は近年の合格点の上昇傾向も考慮し、時間的、精神的余裕もあったことから、想定合格点35点+10点の45点を目標にしていました。届きませんでしたが…。
しかし、驚くことに、世の中には自分だけが要点を抑えて、最低限の努力、点数で1発合格したいと考える人がそれなりにいるのです。
株式投資の世界でも、やはり自分だけが短期間で楽をしてお金を増やしたいと考える人はおり、もはや人間の業というべきなのか…。
一見効率が良いようにも思えますが、不合格になってしまうと翌年の試験まで1年の期間が空き、人間は忘れる生物である以上、前回試験当日の実力を取り戻すだけでも恐らく数十時間の勉強が必要になると思います。
その1年を不合格者という肩書で過ごさなければならないのも、人によっては耐え難い苦痛に感じるはずです。
さらに、予想合格点付近の点数を取ってしまうと、試験終了後から合格発表までの一ヵ月以上の期間も、不安に駆られて過ごすことになってしまいます。
自分もコンクリート診断士試験で同様の経験をしたので分かりますが、あれは精神的に良くないです。本当に…笑。
結論としては、合格点+5点程度の実力が付くまで勉強をして、合格発表まで穏やかな気持ちで過ごせる1発合格を目指すのがおすすめです。
周りはどう思うか知りませんが、少なくとも自分は、この余分な+5点の努力を無駄だとは思いません。
不動産業界に勤めている人、転職、就職を考えている人にとっては実務で使う知識ですし、これだけの人気資格なら、人に教える機会があるかもしれませんしね。
まとめ
これだけ偉そうなことを言っておきながら、合格発表直後に作成するはずの記事をここまで後回しにしてしまいました笑。
仮に以前勤めていた会社で、社内向けの資格試験勉強用の資料作成を指示されたとして、このような内容を書いていたら、「長すぎる、A4用紙1枚に収めろ」、「自分だけ分かれば良いと思ってる、読む人のことを考えていない」と再提出されられたと思います。
資格ゾンビの上司達への忖度もしなければならず、内容も限りなく薄っぺらになっていたはずです。
さらに前の会社では、退職前に一級建築、土木施工管理技士試験勉強用の資料を作成し、会社、苦戦している個人に配りましたが、ロクに見られることも無く処分され、逆に上司から嫌みを言われる始末でした…笑。
いつ書くか、何を書くか、全てにおいて自由なのが個人ブログであり、資格試験についての記事を書いている瞬間がそれを最も実感できます。
そして、顔の見えない誰かのために、ほぼ無償で何時間、何十時間も賭けて、有用に感じて貰えているかも分からない資格試験の記事を書く…。
そんな非合理的な行為をしている中でこそ、セミリタイアしている自由を実感できるという…皮肉なものですね。
それはさておき、宅建士試験の具体的な勉強の流れ、コツなどについては追ってブログ記事にする予定です。
気分転換に他ジャンルの記事を挟むかもしれませんが…それを決めるのも他人ではなく自分です!

